元貴乃花親方(46)が、2018年10月に突然、離婚を報告しました。奥さんは、ご存知、元フジテレビアナウンサー河野景子さん(54)です。
別居生活や親方が倒れたときに見舞いに行かなかったなど、お二人の間にはうまくいってない噂がありましたが・・・。
いろいろな人生を経験してきた私たちの世代になると、「離婚」という言葉も意味も、けっこう深いものがあります。
元親方の会見では、「お互い結婚を卒業しようと、二人で話し合って決めた」と、離婚というより『卒婚』の意味合いを強調していましたね。
そんなこともあって、世の中で再び『卒婚』が注目されるようになりました。
卒婚のススメがでてから15年
「卒婚」という言葉が世にでたのが、2004年のこと。杉山由美子さん著書の『卒婚のススメ』という本で、はじめて紹介されました。数年前だと思っていたら、15年も前のことなんですね。
この本の中で、杉山さんは、これからのシニア夫婦の新しい生き方として「卒婚」という考え方を提案しています。
子供が独立し夫が定年退職すると、やってくる夫婦2人きりの生活。
仲の良い夫婦なら一緒に旅行したり、趣味を楽しんだりと、楽しいリタイア生活を過ごせますが、すべての夫婦がそうとは限りません。
「仮面夫婦」や「別居夫婦」、最近では夫が家にいることが原因で起こる「夫源病」が話題になっているくらい難しいものです。
「離婚」までは踏み切らないけど、コミュニケーションがうまくとれてない夫婦が、けっこう多いのではないでしょうか。
という私も、ドキッとすることがたくさんありますが・・・。
週50時間の自分の時間がなくなってしまう妻
若い頃は同じような趣味や子どものことなど、共通の話題がありましたが30年もすればいろいろな事に差が生じてきます。
また、家庭のバランスは、会社勤めと主婦というお互いの時間が確保されていた中で均衡が保たれてました。
退職前は、一緒に過ごす時間は平日の夜と土日でしたが、退職すると毎日いっしょに生活することになります。
夫が退職しても奥さんの生活は変わらないのですが、会社に行かなくなった夫はまったく違う生活パターンとなってしまいます。
これは、結構キツイ事態となります。もちろんキツイのは奥さん側です。
時間で考えるとわかりやすくなります。睡眠時間が8時間としますと人は週112時間起きていることになります。
会社勤めをしていると、通勤時間を含めて1日約10時間費やしていますから、週5日で50時間となります。
つまり、起きている時間の約50%は会社で、残り50%が家庭での生活となっています。
夫のいない時間は、奥さんにとっての自由時間。買い物をしたり、友達と話したり、時には日帰りの小旅行をしたりと、自分の生活を楽しんでいます。
それが夫が退職すると、その自分の自由な50時間が突然なくなってしまうのです。
退職によって夫に与えられる50時間の自由と、それによって失われる妻の50時間の自由・・。
これが、退職後の生活の実態なのかもしれません。
わからないでもない妻の「夫源病」
夫の退職後にやってくるのが、昼食の世話と夫のチェック。
奥さんが出かけるたびに、「どこに行くんだ?」「何時に帰ってくるんだ?」「昼飯は?」「また出かけるか」の行動チェックが始まります。
きっと、思い当たる人は多いのではないでしょうか。
これが毎日続き、奥さんは生活のペースを乱されて精神的に参ってしまいます・・。これが「夫源病」の原因です。
立場を置き換えて「自分の50時間の自由時間がなくなったら・・」と考えてみると、奥さんの辛さが理解できるのではないでしょうか。
卒婚は定年後の理想の姿かも・・
そのように考えてみると「卒婚」という考え方は、とても的を得ているような気がします。
長く連れ添った夫婦が、それぞれの人生を尊重し、夫婦としてのルールを守りながら自分のやりたいことをやる。
もちろん一緒に楽しめることは、どんどんやっていきます。イメージとしては独身時代の家族生活のような感じかもしれませんね。
もし、毎日がうまくいってないと感じている方がいましたら、ぜひ『卒婚』について話しあってみてください。
そのときに「卒婚=私を嫌になった」と、奥さんに勘違いされないようにすることが大事です。
そのようなことが起こらないよう、事前準備として『卒婚のススメ 人生を変える新しい夫婦のカタチ』(杉山文庫)杉山由美子(著)を読んでみてください。
6組の夫婦の「卒婚」までのストーリーが書かれていて、とても参考になります。
アマゾンの中古本で200円程度で購入できます。