国民年金とは?と聞かれると、大概の人は、「国に納める税金の1つで、歳を取った時に年金として受け取ることができるお金」と答えるかと思います。
年金には大きく3つのくくりがあります。
歳を取ったら受給できる「老齢基礎年金」、障害や死亡時に支払われる「障害基礎年金」、「遺族基礎年金」です。
国民年金は、高齢者向け年金のイメージが強いですが、障害や死亡時にも支払われますので、高齢者以外の方にも重要な制度となります。
国民年金3つの保険
老齢基礎年金
年を取って収入が減った人の生活を支えるお金です。一般的には、65歳から受け取ることができますが、受給開始を60歳から75歳(2022年4月施行)まで変更することができます。
65歳以前に年金をもらうことを「繰り上げ受給」、65歳~75歳まで受給開始を遅らせることを「繰り下げ受給」と言い、年金額は、繰り上げた分だけ減額され、繰り下げた分だけ増額されます。現在、繰り下げ受給の上限は70歳ですが、2022年4月から上限は75歳となります。
日本の場合、20歳になると国民年金の加入が義務付けられており、現在の保険料は、月額16,610円(2021年度)です。
原則、20歳から60歳まで(40年間)保険料を支払い、65歳から老齢年金を受け取る形となります。
国民年金の現在の受給額は、月額65,074円(満額の場合)となります。
給付には保険料を納めた期間が10年以上などの条件があります。
会社員や公務員は、国民年金の他、厚生年金にも加入し、給料から引かれる厚生年金保険料には国民年金の保険料が含まれています。
と言っても、実際の国民年金16,610円が含まれているわけではなく、老齢基礎年金を受け取る権利が含まれていると言う感じになります。
60歳を過ぎても厚生年金を払い続けている方は、60歳で国民年金の部分が無くなるわけではないようです。(日本年金機構に聞きました)
厚生年金は、国民年金と言う土台の上に成り立っているからと言う説明でした。
このあたりはよく理解できないので、役所や日本年金機構に問い合わせてみましたが、納得のいく回答が得られませんでした。
自営業や農林漁業者、無職の人は、国民年金だけの方が多く、その場合、60歳をもって支払いの義務は終了します。
未払い期間*がある場合、満額から未払い月数分が差し引かれた金額を受け取ることになります。
* 年金額の増額を希望する時は、60歳以降65歳未満まで国民年金に加入できる「国民年金の任意加入制度」があります。
障害基礎年金
病気やケガで障害が残ったときは、障害基礎年金がもらえます。
保険料を納めなければならない期間の3分の2以上納付をしているなどの条件があります。
遺族年金
一家の稼ぎ頭が亡くなった時に遺族年金がもらえます。
亡くなった人が保険料を納めなければならない期間の3分の2以上納付をしているなどの条件があります。
国民年金保険料はまとめて払うと安くなる
保険料は前払い(まとめ払い)をすると安くなります。
まとめ払いは、「6か月払い」、「1年払い」、「2年払い」の3通り。支払い方法は、現金またはクレジットカードと口座振替があります。
まとめ払い | 支払い方法&お得になる額 | |
現金または クレジットカード |
口座振替 | |
6か月払い | 810円 | 1,130円 |
1年払い | 3,540円 | 4,180円 |
2年払い | 14,590円 | 15,850円 |
※2021年度の保険料を基に計算した金額となります。
余裕のある方は、前払いをすることで多少お得になります。