今、一人暮らしの高齢者世帯が、どんどん増えています。
内閣府の調べでは、65歳以上が住んでる高齢者世帯は平成27(2015)年に2372万4千世帯で、全世帯5036万1千世帯の47.1%を占めています。
しかし、子供との同居率を見てみると、昭和55(1980)年に7割だったのが、平成27(2015)年には4割と大幅に減少しています。
この結果、一人暮らし高齢者数は昭和55(1980)年の88万人(男性約19万人、女性約69万人)から、平成27(2015)年には592万人(男性約192万人、女性約400万人)と、なんと約500万人増えています。
<グラフ及びデータ参照 内閣府 平成29年版高齢社会白書より >
このような一人暮らしの高齢者の問題は、NHKでも「独居老人」として取り上げ、その深刻さが話題になりました。
熟年離婚者や未婚の人ばかりでなく、夫か妻のどちらかが亡くなると、ほとんどの人が独居老人となります。
現在の独居老人問題は、次世代で高齢者である私たちの問題であるので、今から真剣に考えておく必要がありますよね。
年に2度の子供の帰省を待って生活する親
平成30年に始まったテレビ朝日のテレビ番組に「ポツンと一軒家」という人気番組があります。
衛星画像を使い人里離れたところや山の中にポツンと離れた一軒家を見つけ、車で探し当て訪ねるという番組です。
スタッフが道なき道を走って訪ねてみると、ほとんどの場合高齢者が一人で住んでいます。
「どうしてこんなとこに一人で住んでいるんですか?」とスタッフが尋ねると、
「ここは、子供が生まれた家。休みに孫をつれて帰ってくるのを楽しみに待ってるんですよ・・」と同じような答えが返ってきます。
正月、お盆の時に帰省してくる子供や孫たちのために、おじいさん、おばあさんは家を守っている、そんな姿が日本のあちこちに見られます。
この番組を見ていると年老いた親のことを思い出すと同時に、将来自分はどうするんだろうかと考えてしまいます。
独居老人の背景にある私たち世代
実際、私の田舎では広い家に、年老いた父と母だけ、または死別した後一人で住んでいる家がたくさんあります。
子供の成長につれ増築、改築した家には部屋が5つも6つもありますが、使っているのは台所と居間と寝床だけ。
そこに、ほんとうにポツンと寂しく住んでいる感じです。その原因の当事者は、実は私たちの世代なんですよね。
学校を卒業し田舎では就職がないという理由で都会で就職、そして結婚。
子供が生まれ成長し、学校を卒業し結婚して孫ができて・・、田舎に帰ることなく住み続けている・・。それが私たちの世代です。
友人と会うと、必ずでてくる話しは「お父さん、お母さんはどうしているの?」です。
たいがい、「2人が元気なうちは頑張ってもらい、1人になったら引き取るか施設に入ってもらうか・・」という答えになります。
この話は、私たちの10年後、20年後の姿そのものなんですよね。
老後はマンションに住みたい
そんな将来のことを考えると、歳をとったら一戸建てよりマンションが良いかなと思っています。
子供がいるときには部屋数も収納もある戸建てが良いですが、歳をとってくると便利なのは断然マンションかなと思います。
マンション住まいのメリットを書いてみると
【マンション住まいのメリット】
- 交通の便が良い
- 車いらずの生活ができる
- 外出がラク
- 買い物が便利
- 病院が近い
- 管理人がいる
- 同じ敷地に人が住んでいる
- 部屋に階段がない
- 防犯上安心
- 家の中に段差がない
- 冬でも暖かい
- ほど良い広さ
- 家屋の手入れがいらない
このように見てみると、高齢者とマンションの組み合わせが、いかに良かがわかります。
同居しないなら戸建てを売ってマンション住まい
まさにマンションは高齢者にとっての理想的な住環境がそろっています。
もし、子供が同居しないなら自宅を残す必要はないし、将来の老後資金も乏しい中で自宅の資産は貴重なものとなります。
住居は、時間がたつほど資産価値が下がりますし、資産価値が残っているうちに手放したほうが手元に資金が残ります。
この先は人口減による住宅ダブつきも指摘されていますし、高額な家は売ろうと思ってもなかなか売れません。
そう考えると子育ての役目を終わった広い家を早めに処分して、手頃なスペースのマンションに越すという考えは、大いに有りですね。
戸建て売却資金内で購入できる中古マンションや、修繕費や固定資産税もかからない賃貸という考えもあります。
最近は、都内にある戸建て住宅を売却して、地方のマンションタイプの「サービス付き高齢者住宅」に引っ越する人も多いそうです。
これなら将来介護が必要になっても、安心して生活していけます。
今は両親のことで頭を悩めていますが、すぐに自分たちの悩みとなります。今のうちから、しっかり考えておきたいですね。