50代、60代ともなると、親の年齢は70代~90代。親の介護を避けて通れない年代になります。
かく言う私も60歳で親は90歳。昨年より老人施設のお世話になっています。
ここでは、親の老人施設や介護にかかるお金が親の年金では足りない場合、どのように補填すればよいかをご説明します。
老人施設にかかるお金が年金だけでは足りない
老人施設の料金がすべて親の年金で賄える方は問題ありませんが、年金では足りない場合、親の預貯金を切り崩すことになります。
老人施設(ホーム)に入居する時、入居一時金という制度がありますが、簡単に言うと、入居一時金が高い施設は月額を安く設定、入居一時金がかからない施設はその分が月額にのってきます。
高級であればあるほど入居一時金が高くなる傾向になりますが、ここでは、入居一時金のかからない庶民的でリーズナブルな老人ホームを例にとってご説明します。
現在、高級老人ホームを除いて一般的な「有料老人ホーム」は、都心か田舎かで多少の差はありますが、平均で月々12万円~15万円ほどかかります。
ここには家賃や食費、光熱費は含まれますが、デイサービス代やオムツ代などは含まれていません。
介護度が上がり、必要な世話やオムツ替えなどが増え、ヘルパー制度を頻繁に利用するようになると、月額が増えていきます。
介護度が上がり18万円~20万円ほどかかると仮定すると、年金受給額が20万円ほどないと年金だけでは賄えなくなります。
そうなると、親の預貯金を切り崩しながら生活することになります。
もし、国民年金だけなら、現在の国民年金の平均額は5万7千円ですので、最終的には、毎月10万円~15万円ほどの赤字になります。
この赤字分を親の貯金や資産から出すことになります。
もし、親の資産が底をついてしまった場合、子どもが負担するか、老人ホームから親を引き取って自分が介護するしかありません。
老人ホームに入れる高齢者は幸せ
一昔前は、親を老人ホームに入れるのは親不孝と言う風潮があり、子どもが親を介護するのが当たり前でしたが、現在は逆になりました。
老人ホームに入れるのは幸せであって、お金が底を尽きたため老人ホームから退去し家族で介護を余儀なくされている家庭もあります。
人手がたっぷりあって万全の体制で介護できれば良いのですが、お金がない状態で引き取った後の介護は、介護される側も介護する側も大変なのが現実です。
私の母のホームでも、家に帰りたい高齢者は別ですが、せっかく施設にも慣れ不自由なく暮らしていた高齢者が泣く泣く自宅に戻っていく光景を何度が目にしました。
せっかく入れたホームをお金が破たんしたために泣く泣く退去するのを避けるためには、まずは、親の持っている預貯金、株などの資産、実家の価格を把握する必要があります。
親が持っている預貯金、株などの資産、親の家の価格を把握する
まず、老人ホームに入ることが決まったら、月々いくらのホームなら破綻することなくやっていけるかを計算する必要があります。
と言っても、何歳まで生きるか分からないので、80歳まで生きた場合、90歳まで生きた場合、100歳まで生きた場合などと仮定して計算します。
まずは、預貯金を把握。毎月の赤字分を計算して、何年経ったら貯金が底をつくか計算します。
例えば、毎月10万円の赤字だとすると年間で120万円必要になります。10年生きると1千2百万円。もし、親の貯金額が1千万円の場合約8年で底をつくことになります。
その間、親の他の資産、例えば株などがあれば、良い状況の時に売るように促します。
預貯金や株などの資産が底をついたら、いよいよ親の住んでいた家(実家)を売ることになるかと思います。
実家に親以外誰も住んでなく、空き家になっている家も多くありますので、最終的には実家を処分して親の介護費用に充てるケースも多くあります。
実家の価格ですが、自分が想像していた価格とかなり違っているケースが多く、今売却したらいくらなのか?まったく想像すらできない人も多くいます。
実際、私もそのケースで、見当も付きませんでした。
しかし、親が思った以上に長生きして実家を売らざるを得なくなることも考えて、実家を査定してみました。
査定は、大手不動産会社から地場の不動産会社まで1200社が登録している「イエウール」で査定しました。
一括サイトで査定するときのポイントは、「大手有名不動産会社」の他、「地場で実績が豊富な会社」と両方から査定してもらうことです。査定する不動産会社によっては500万円も差がでる場合があるからです。
できるだけ高く売りたいのが心情ですから、話を有利に持っていくためには前もって実家の価格を調べておくことはとても有利だと思います。
「今売ったらいくら?」を知っていることで心づもりができます。
まとめ
- 親の年金額
- 親の預貯金
- 親の現金以外(株など)の資産
- 親の家の価格
を把握しておくことが大切です。
ちなみに、私が実家を「イエウール」で査定した時の情報をご参考までに。
地方都市の住宅街で70坪、2階建て建物坪数は80坪、築45年の住宅で、私が思っていた額は3千万円、査定した額は1千5百万円でした。
バブルの頃には、7千万円くらいの査定でしたから、1千5百万円の査定はちょっとショックでしたが、現実が知れて良かったです。
3千万円のつもりでいたら、いざとなったとき困ったかもしれません。
また、家を売るのは最終手段で自分の頭の中だけにとどめておきたい場合、家族に内緒で査定できますので、申し込みの過程で「内緒」にチェックをしておくと良いですね。