90歳の母がホームに入居し、自分では色々な管理ができなくなったため、母の大切な書類を預かり管理することになりました。すると、年に何回か色々な保険証が送られてくることに気づきました。
59歳の私は、保険証と言えばまだ「健康保険証(健康保険被保険者証)」のみですので、高齢者で介護を受ける身にになると、こんなに色々な保険証があると言うことを今更ながら気づきました。
高齢者が持つ保険証
現在、母の保険証は・・・
- 後期高齢者医療被保険者証
- 介護保険被保険者証
- 介護保険負担割合証
です。
その他、母の場合は、身体障害者手帳があります。
高齢者とは
健康保険に関しては、「前期高齢者」は65歳~74歳、「後期高齢者」は75歳以上となっています。年金受給に関して言うと「高齢者」の定義は65歳、道路交通法では70歳以上のようです。
介護保険証と介護保険負担割合証
一般的に医療を受けるときは、年齢にかかわらず、健康保険証(健康保険被保険者証)が必須です。
その他、高齢者が必要とするのは、「介護保険被保険者証」と「介護保険負担割合証」です。
上記は白色ですが、市町村によって色は緑であったりピンクであったりと様々です。
介護保険証(介護保険被保険者証)
介護保険証は、65歳になる月に交付されます。その他、40歳~64歳の人でも介護保険の認定を受けた方は交付されます。
介護保険証が必要なとき
- 要介護認定の申請や更新をするとき
- ケアプランの作成を依頼するとき
- サービスを利用する時など
です。
介護保険負担割合証
介護保険負担割合証は、介護の認定を受けた方や総合事業を利用する方に毎年交付されます。介護サービスを利用するときに必要です。
介護保険負担割合証には、利用者の負担割合が記載されています。
介護保険の負担額
介護保険は、平成30年7月までは、1割負担と2割負担の2タイプでした。平成30年8月より、新たに3割負担が加わったため、この割合はどのように判定されているのか調べてみました。
- 本人が市民税非課税の場合・・・1割負担
- 本人の合計所得が160万円未満・・・1割負担
- 本人を含めた世帯の65歳以上の方の「年金」+「その他の合計所得」が、1人の場合280万円以上、2人以上の場合346万円以上・・・2割負担
- 本人を含めた世帯の65歳以上の方の「年金」+「その他の合計所得」が、1人の場合340万円以上、2人以上の場合463万円以上・・・3割負担
高齢になっても働いていたり、不動産所得などがある場合、または、65歳以上の方の世帯収入が高い場合は、負担割合が増えることになります。
夫婦共稼ぎだった家庭で、夫の年金が毎月15万円、妻の年金が毎月15万円だった場合
年金が月額15万円の夫の年収は180万円で、本人の合計所得が「160万円以上220万円未満のグループ」に入ります。妻も同じです。
2人の合計所得は、180万円×2=360万円になりますので、基準の346万円以上となりますので、収入で計算すると、介護保険は2割負担と言うことになります。
しかし、単純に合計収入で見てしまうと2割と言う間違った答えが出てしまいます。
ここで言う、合計所得金額とは合計収入ではありません。
合計所得金額とは、収入金額から必要経費に相当する額を差し引いた金額です。
では、この「必要経費」とはいったい何を指すのでしょう?
65歳以上の必要経費を引いた合計所得額
必要経費と聞くと、生活していく上での必要経費?と思いますが、簡単に言うと控除額です。
年金収入は、雑所得となります。公的年金は、収入金額から公的年金等控除額を差し引いて計算します。
必要経費を引いた年金(雑所得)は、65歳以上で公的年金が120万円超330万円未満のばあいは、120万円を引いた額になります。
※年金等に係る雑所得の計算方法※
国税庁ホームページより
65歳以上で年金が月額15万円の方は、年間で180万円の収入。120万円~330万円のグループですので、合計収入から120万円を引いた額の60万円が合計所得金額と言うことになります。
つまり、介護保険の負担割合は1割と言うことですね。
今回、負担割合を調べてみて、色々と面倒な計算があると言うのが分かりました。
市民税非課税者は別として、自分がなぜ1割負担なのか、なぜ2割負担なのか、きちんと理解して支払っている人は少ないように思います。
政府が決めた色々な計算のルールを理解するのは専門家でない私たちにとってはハードルが高いと思うのは私だけでしょうか。
今回、介護保険の負担割合を調べてみて実感しました。